パレスチナ自治区ヘブロンにてインティファーダを受けました。
ベツレヘムに行った後、もう少しパレスチナ自治区について知りたくなり、もう少し過激な差別が見られるというヘブロンに向かう。
ごみごみしたマーケットを横目に歩いていくとこんな通りに。
上を見てみると・・・
そこにはたくさんのゴミ。
そしてそのさらに上には・・・イスラエルの国旗。
これはイスラエル側からパレスチナ側へのいじめ。
上にあるイスラエル系の住居から下にあるマーケットにゴミがたくさん投げられるんだって。
そこからさらに歩き・・・
ゲートを越えると・・・そこはユダヤ人が住むエリアがある。
パレスチナの自治区であるにもかかわらず、どんどんユダヤ人の入植者が増え、その少人数のユダヤ人を守る為にたくさんの兵士がいます。
ここに来る前、入り口を探していたら「おまえ、あそこに行くと打たれるぞ。気をつけろ」って言われた事もあり、警戒しながら進む。僕ら外国人からしたらそれほど危険じゃないけど(といっても1人で来るのは止めるべき)、現地のパレスチナ人からしたらイスラエル兵士から何されるか分からないのだろう。
ゲートを通過するまでは1人もユダヤ人を見なかったけれども、ゲート付近には至る所に超正統派の人達が。
私服で銃を持ってる人も。
ユダヤ人の住んでいるエリアはごく一部。ここにはもうユダヤ人はいない。
多分ここは昔パレスチナ人が住んでいた家。推測だけども、多分イスラエルが破壊して、住民を追い出したのだと思う。
しばらくするとアラブ系の人達をちらほら見かけるようになった。
でも、そんな道のすぐそばには銃を持った兵士達。
ここにもユダヤ人の住むエリアが一部あった。その一部の人達を守る為、彼らは配置される。
そこからまたしばらく奥に入っていくと、そこはもう完全にパレスチナエリアになった。ユダヤ人は誰一人としておらず、皆アラブ人。
車も走っていて、この中で普通に生活している事が伺える。
子供達がよく声をかけてきた。
最初は外国人が珍しいだけだと思ったけれども、どうやらちょっと違う雰囲気。
遠ざかる時、トマトのへたの部分が飛んで来た・・・。
その後も何人かの子供達とすれ違う。
そこから窺い知れたのは僕らに対する”敵対心”。
突然その敵対心は石を投げるという暴力として具現化した。
この行為はここではインティファーダと呼ばれる。通常はイスラエル兵に対して反抗の意味で行われる。彼らにとっては武器は石しかないから。
パレスチナ自治区では、よく武装した兵士に対して、無防備の子供が石を投げ、兵士が銃で応戦する。そんな事が日常的に起こっているらしい。
パレスチナにとってイスラエルは急にやってきた侵入者。彼らはもともと平穏に暮らしていたのに、急にやってきたイスラエルによって不自由な生活を余儀なくされている。
僕らツーリストもその子供達にとってはイスラエルと同じ侵入者でしかないということなんでしょう。
「出て行け。僕たちの土地から出て行け・・・」そんな気持ちで石を投げてきたんだと思う。
ここに住んでいる子供達すべてがそんな攻撃的というわけではない。
石を投げている写真に写っている2人。彼らは僕らの味方だった。石を投げてきた子供に対して僕たちに「やりかえせー!」みたいに言ってくれた。
大人達にも何人か会ったけど、彼らからは全く敵対心は感じられなかった。
それは多分、石を投げてどうにかなる問題ではないって分かってるからだと思う。
落ちていた銃弾。通常インティファーダに対してはゴム弾が使われるらしい。
それにしても、子供から石を投げつけられるって、想像以上に心が痛んだ。
子供達が憎い。
そんな気持ちじゃなく、子供達をそこまで追い込んだこの環境が憎かった。
暴力の中で生まれた子供は暴力を覚える。彼らだって日本のような国で生まれてたらこんな風にはなっていなかったはずだ。
帰る時、封鎖されている道を通った。この道の先にあるのはユダヤ人エリア。
すると、僕らが見えた途端、遠くにいたユダヤ人が引き返した。
多分、この道から来る人はパレスチナ人しかいないから、パレスチナ人に何かされると思ったんでしょう。
やっぱり仲悪いのかな。パレスチナ自治区の中では、ただ相手に対する悪意を膨らませるだけでお互いに全く喋りもしないんだろうな・・・。
イスラエル政府は新たな壁を次々に作り、パレスチナ人を圧迫して、最終的にはパレスチナ人を全て追い出したいようだ。
それに対して怒った過激派のパレスチナ人はイスラエルにテロをしかける。その報復としてイスラエルはパレスチナを攻撃する。そんな事が繰り返される。
こう書くとイスラエルが悪いような気もするけれども、ユダヤ人の迫害されてきた歴史を考えるとちょっと複雑な気持ちになる。
未だ全く解決の糸口が見えないパレスチナ問題。
はたして平和が訪れる日は来るのだろうか?
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※参考にした本はこちら。
「大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社プラスアルファ新書)」
このブログで度々登場するこの本。イスラム教に関する基本的知識だけでなく、パレスチナ問題についてもめちゃくちゃ分かり易く書いてあります。池上彰あっぱれ!ちょっと情報が古いのが難点。
これが全て理解できれば、パレスチナ問題についてはほぼ把握できるんじゃないか?ってくらい詳しいけど、基本的内容が分からないと理解できない。かなり難しめ。