終わりと始まり

最後の最後で更新途絶えてしまいましたが・・・

帰国してからもう少しで半年が経ちます。

今いろいろあって骨折し入院中で、暇を持て余していたのでこの機会にブログをとりあえず完結させることにします。

ブログの最後の記事はアフリカ終盤のボツワナ。簡単に書くとボツワナからはナミビアを弾丸で抜け、南アフリカのケープタウンに到着。

IMG25703ケープタウン

ケープタウンを満喫し、念願のバンジージャンプをしてレソトを経由し帰国。

IMG26415天空の王国と呼ばれているだけあって、レソトは山と緑でいっぱい!

ケープを出てから1週間ほぼWIFI使えず、帰国後は全くブログ書く気力が起きず、放置。という非常に残念な有様でした…。あともうちょっとだったのに。

こんなにあっさりとアフリカ縦断編を終わらせてしまったけれども、僕にとってアフリカは一番思い出深い場所。なんだかんだ11ヶ月の旅の期間のうち4ヶ月半はアフリカにいたくらいアフリカ大好き。

アフリカのような途上国が好きなのは多分、先進国が失ってしまったものをまだ持ってるからなのかなーと思う。そういう意味で大陸全体でそれほど発達していないアフリカが魅力的に見えたのかもしれない。

今回アフリカ縦断の中で一番印象的だったのは、マラウイでのチズムル島での生活。

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チズムル島でお世話になったジョージ家。

家にはあるものはいたってシンプル。机1つ、椅子1つ、ティーポット1つ、ベッド2つ、食器類。ジョージ達の寝室は見てないけれども、それ以外の場所で確認できたものはほぼこれだけ。

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キッチンもトイレも風呂もない。

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料理は焚き火、トイレは野糞、風呂は湖。

夕飯を食べたら、寝るまでお喋りして、夜は外一面ホタルが飛び回ってて。

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こんな生活がたまらなく人間らしく、生きてるって感じがして本当に楽しかった。

そしてこう自由に、時間に縛られず、のびのびと暮らしている彼らが凄く羨ましくも思えた。

これはたぶん、途上国に広がってる当たり前の生活。

こんな生活を日本でするにはどうしたらいいか、、、

そんな事を考えながら僕は日本へ帰国した。

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建築専攻の僕は、日本でアフリカのようなスローライフを送るためにキーポイントとなるのは、”家”だと考えた。

日本の家はたいてい買ったら、何十年もローンにつきまとわれる。だから、それを返済するために必死に働かなくてはならない。そんな日本の当たり前がずっと嫌だった。

アフリカのような途上国では、多くの場合、家は土、泥、石といった身近な材料で作られている。それに所有してる物だって少ないから、日本の家程の大きさは不必要で、小さな家で事足りる。

そんな家だったら日本のように何千万円もかかることはないから、ローンが生じる事はほぼない。

IMG17392スーダンの家

IMG17965エチオピアの家

IMG29819ムルシ族の家

IMG20005マサイ族の家

IMG26585 レソトの家

日本でもシンプルな暮らしをして、身近な材料で自分達で家をつくり、食料をある程度自給できれば、少ない給料でもなんとかやっていけるはず・・・。

そんな僕の思い描く理想的な生活への糸口を掴むキッカケになったのは、帰国後長野にある宿シャンティクティにて開かれた建築ワークショップだった。

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シャンティクティにある上の写真の建物はどちらもアースバック工法といった土を詰めた土嚢袋を積み上げる方法で素人の手によって建てられたもので、かかった費用も各々20−30万だとか。これ以外にも敷地内にはモバイルハウスやらアイデアの詰まったものがいっぱい。

WS参加者は平日に3、4日間の時間を作って来ている人達で、家をセルフビルドで作っていたり、ガソリンを使わずてんぷら油で車を走らせていたり、自由にエコに半農半Xな生き方をしている個性的な人ばかり。

このWSの時はじめて”半農半X”という言葉を知ったんだけれども、提唱者の言葉を借りると「半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方」という意味らしい。

僕の探していたライフスタイルはまさにこれだった。

僕の場合のXは建築。

でも僕は世間一般に知られているような建築はそんなに好きじゃない。先程述べたように、何十年もローンを払ってまで買わなきゃいけないような家なんて嫌いだし、コンクリートの固まりのようなビルだって嫌いだ。

旅立つ前は、ただなんとなくハウスメーカーかゼネコンか公務員か・・・なんて考えてたけど 、今となってはそういったところでは絶対働きたくない。

人生プランについて簡単に書くと、とりあえずは気に入った設計事務所で何年か働き、その後大工や左官といった職人技を学んだ上で、30半ばくらいには田舎暮らしをスタートできたらいいなーと漠然と考えている。全くもってどうなるか分からないけれども、まあなんとかなるでしょう。

大金と引き換えに手に入れる事のできるマイホーム、じゃなくて友達呼んで皆で楽しくわいわい低コストで家を作っていくような家作りが理想だなー。

10491200_560742530713087_857226351407380586_n土壁の下地となる竹子舞編み

大学4年生になり、現場作業の楽しさを知ってからというもの、住まいである名古屋からわざわざ土壁塗りに東京行ったり、漆喰塗りに三重に行ったり、古民家改修のお手伝いに長野山梨行ったり、ピザ釜造りに伊豆まで行ったり・・・いろんな場所を飛び回っております。(ちなみに冒頭で述べた骨折は、この長野山梨伊豆を巡るチャリ旅の帰路で自損事故をおこした結果です。泣)

面白い事にこうやってモノ作りの現場に色々行ってみると、どういう訳か連鎖反応で農に関わる機会が増えてきた。今までの人生全く農とは無関係だったのに、最近になって急に接点がぽつぽつと。出会う人も、ある程度食料を自給しているような人だったり、脱サラして田舎に移住しようとしてる人、した人、そんな人の割合が増えてきた。それはやっぱり建築という住を作る作業が、生きる事、つまり農とか食とかと密接に関わっているからなんだと思う。

昔はそんなに建築が好きだった訳じゃないけれども、今は自信を持って大好きといえる。建築ほど生きていく事と密接に関わっている業種は他にはあんまりないと思うから。こう思えるようになったのは間違いなく多様な生き方、価値観を教えてくれた旅のおかげであります。

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旅の終わりは新しい人生の始まりでもある。

そう思ったから旅の終わりから帰国後のことをざーっと大雑把に書いてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!