自然が豊かなラリベラ。その一方で人の心は濁っていました。
ラリベラには世界遺産である岩窟教会群がある。
少し前までは10ドルくらいの値段でその教会群に入れたようだけれども、最近は値上がりしてチケットがなんと50ドル。
それほど教会に対して熱い思いはないので、チケットは買わず遠くから見届けます。
これが教会群の中で一番有名な聖ギオルギス教会。
無料でここまで見れます。
しかし、やっぱりもっと近くで見たい。これだけでもいいから近くで見たい。
ということで入場ゲートを探し彷徨う。場合によっては交渉で安く入れるかもしれないし。
入り口探してたら・・・
何のチェックもなく、岩の上着いちゃった。
でも、どう考えてもここは有料のエリア。
ちょっと中に進むと監視員に見つかった。
監視員「お前チケット持ってるのか?」
僕「いや・・・持ってないです。歩いてたら偶然ここに来ちゃって・・・」
監視員「見るならあっちでチケット買ってこい。」
僕「50ドルは高すぎるんですよ。僕はここだけ見たいんです。少しお金払うので入らせてもらえませんか・・・?」
と200ブル(約10ドル)をヒラヒラさせながら交渉する。
ここはアフリカ。賄賂を払えばどうにでもなる。そう思っていた。
しかし・・・エチオピア人、そこまで腐っていませんでした。
頑固として賄賂を受け取らず・・・僕はそこを後にしたのでした。
有料エリアと思われる場所を出ると、その辺にいたエチオピア人が絡んできた。
「おい。お前チケット持ってるのか?」と何人にも言われ、カメラのチェックまでされた。こいつらは一体なんだんだ。
ラリベラを歩いていると、よく「教会は行ったか?俺なら○○ドルで行かせてやれるぜ。」みたいな事行ってくる輩がたくさんいたから、何か金儲けの手段になっているかもしれない。
その後はぶらぶらあてもなく彷徨う。
するとチビっ子達に「コーヒーセレモニー!コーヒーセレモニー!」言われ、家の中に呼び込まれた。
他の街だったら嬉しい事。でもここはラリベラ。
エチオピアで一番の観光地ともいえるこのラリベラでは、「マネーマネー」言ってくる子供が他の街と比べてかなり多い印象を受ける。「ハロー!」の次に「マネー!」だからね。場合によっては第一声が「マネー!」だからね。
だから一応値段を聞いてみると・・・
「10!50!20!」と子供達から声があがる。相場は2-5ブルくらいなのに。
その声を聞いて、僕はすぐさま家を出た。こんな家でコーヒーを飲んだらどうなるか分かったもんじゃない。
その後、近くにあった山を目指して山を登り始める。
僕を見つけると近くにいた子供達はみんな大騒ぎ。
ただただ無邪気なだけな子供はかわいいね。
そんな子供達を振り切り、山に登って行く。
見晴らしの良い場所でのんびり読書していると、道中にあった人達が僕の後を追ってきた。
30分くらい経っても立ち退く気配はない。
「僕を待ってるの?」と聞いてみると「うん。降りる時危ないからね」って。もう1人の子供はめっちゃ英語達者だったのにこの質問になると、なぜか「え?え?」って分からないフリ。
エチオピア人に対して不信感を抱く僕としては、こいつらは何かしら下心を持ってるとしか思えず、「1人にさせて!」と言って彼らを追い払った。
こういう時、本はかなり役立ちます。持久戦に持ち込んで、付きまとって来る人を上手く追い払えます。
天気は悪化して雷ゴロゴロしてたけど、たまに差し込む光が凄く幻想的で綺麗でした。
彼らを追い払った後、僕はさらに高い場所を目指して歩き出した。
するとまたしても僕を見つけた子供達が群がってくる・・・
最初、子供達は無言でニコニコしてたけど、次第に皆がマネーマネー言い出した。
滑る危険のある下山に備え、カメラをバッグに入れる。その時にバッグに入っていたブランケットを見るやいなや、「ブランケット・・ブランケット・・」とブランケットコールが始まった。
「マネーマネー・・・チョコレート・・・ペン・・・ブランケット・・・」
どいつもこいつもこんな事しか言わない。
この子供達は外国人をお金としてしか見ていない。そんな気がした。
だから外国人を見つけたら、お金をせびる為に集まってくる。
嫌気がさして、僕は下山し始めた。
勿論彼らも付いてくる。
僕が滑ると、彼らは大笑い。
そして彼らを追い払う為にスピードをあげると
上から石が何個も飛んできた・・・。
言葉も通じない子供相手にケンカしたくないし、僕はただただ下山した。
いつまでも上から石が飛んできた。そして上から笑い声も聞こえてきた。
なんだか凄く悲しくて、なんとも言えない気持ちになった。
やっぱりエチオピア嫌いだ。